[OPNION] 「団扇のようなもの」と「団扇」の違い

「任命責任は私にある」と当たり前のことを言った人が、どのように責任を取ったのか、取ろうとしているのか全くわからないけれど。

松島元大臣以外の、「うちわ議員」が話題。

厚紙を丸く切ったものに討議資料を印刷し団扇のように使えるものと、団扇の骨まで入った正真正銘の団扇に討議資料を印刷したものとで、似て非なるけれど、期待する効果は近い。

「暑いけど、何か仰ぐものはないかー」と思った時に、板状の軽いものがあればそれで仰いだりする。学校なんかでありがちなのは「下敷き」だったり。
街角で政治ビラなんかもらったが、あれも折りたたんでから団扇代わりに仰いだりしたが、団扇ではない。
丸く切られた厚紙に印刷されたビラ、あれは団扇だろうか?

選挙だけじゃなく、祭り会場で企業などが広告をそれで配ったりする。けど、それを家に持ち帰って継続して使用する人はいないような気がする。
私も祭り会場で貰ったそのタイプの物は、帰る時にゴミ箱に突っ込んで捨てる。
正確に言えば、「団扇としても使えるビラ」というところだろう。

一方、プラスチックの骨組みが入った団扇に印刷されたものだと、よっぽど嫌なものが印刷されてない限りは、いったん捨てずに持ち帰る。
うちの嫁さんなんかは持ち帰ってもすぐ捨てるけど、「有価物か」といえば有価物。
職場などでは省エネということで冷房が28度設定で、冷却不足で暑い、というときに団扇は凄く役に立つ。

骨が入っているので強く仰いでも折れないし、印刷されたものが気に入らなければ、別の紙を貼って使うこともできる。まぁ、価値としては、ダイソーで売ってるので100円ってところか。

そんなもので票が買えるのか?といえば微妙なところ。
全くニュートラルな人が迷った時に効く程度だろう。

むしろ、自分の名前や顔や宣伝をやるときに、タダのペラペラの紙だったらすぐにクシャッと丸めてポイって捨てられるところ、団扇状、あるいは団扇に印刷することによって一定時間捨てずに所持し続けてくれるだろうという期待があるのだと思う。

というわけで、「団扇にも使えるビラ」と「討議資料が印刷された団扇」とでは、目的は同じであるものの、その価値は全然違うということは言える。

法務大臣であること

法務大臣は、法を司る最高責任者になる。検察のトップでもあるし、死刑囚の死刑執行を決めることができる人でもある。
そういう人物は、やはり法律を遵守すべきだろう。たかだか100円の団扇くらいでうるさく言うな、という国民も多かろうが、100円でも1万本配れば100万円だ。

1万本のうち、10%でも票を入れてくれれば1000票になる。100万円を誰かに手渡して票の取りまとめをお願いするのと変わらないのだ。

そんな公職選挙法を厳密に適用したら完全にアウトなことを、その法務大臣がやったうえで「不適切だった」と反省もせず、ニヤニヤ笑って答弁しているのだ。これはかなりヤバイと思った。
法を司る大臣が法を守るつもりはないとせせら笑っているように見えた。

松島法務大臣を辞任に追い込んだ蓮舫議員の「団扇」の指摘、その蓮舫議員も「団扇ビラ」を配っていたことを指摘されたりしているが、もちろん「お前も汚いな」とは言える。(蓮舫議員は「団扇ビラと団扇は別物」と主張)

しかしだ、蓮舫議員は野党の一議員であり、法務大臣ではない。問題のレベルが違うのだ。
蓮舫議員が「団扇のようなもの」を配っていたことは褒められるものでもなく、擁護するところでもない。蓮舫議員がもし法務大臣だったら同じように追及されて責任を取らすべきだが、そうではないから。