[OPINION] 世論調査による世論の歪曲

これほど新聞社の世論調査で正反対の結果が出たのは珍しい。

安倍総理が進める、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認についての世論調査で以下のような結果になった。

読売新聞:賛成71% 反対25%
朝日新聞:賛成29% 反対55%

結論から言うと読売新聞の世論調査の選択肢がダメすぎて、結果を極端に狂わせてる

朝日新聞平成26年5月世論調査

読売新聞平成26年5月世論調査

朝日新聞の集団的自衛権に関する質問と選択肢はこんな感じ。

質問:集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。

選択肢と回答: 賛成(29%) 反対(55%) の二択

これに比較して、読売新聞のほうはこんな感じ。

質問:日本と密接な関係にある国が攻撃を受けたとき、日本への攻撃とみなして反撃する権利を「集団的自衛権」と言います。政府はこれまで、憲法上、この権利を使うことはできないとしていました。この集団的自衛権について、次の3つの中から、あなたの考えに最も近いものを、1つ選んで下さい。

選択肢と回答:
   1.全面的に使えるようにすべきだ(8%)
   2.必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ(63%)
   3.使えるようにする必要はない(25%)
   4.その他0%)
   5.答えない(4%)

質問自体は読売新聞と朝日新聞には基本的な差は無いが、読売新聞の選択肢には明確な反対という選択肢が1つしかない。「必要最小限」が曖昧なので、消極的賛成と消極的反対が混在してしまっている。
そして、おそらくだが、消極的反対の人が選択肢の中では最も多いはずなのに、これが「2.必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」に多数含まれて賛成にカウントされてしまっている。

ここまで選択肢が偏っていると、もはや調査として成立しておらず、やり直しレベル。

ところで朝日新聞はちょっと間違っている。
集団的自衛権は同盟国が攻撃された時に一緒に戦うだけじゃなくて、同盟国じゃなくても場合によっては一緒に戦いに行くものだ。
読売新聞はその点わかってて、「密接な関係にある国」ってぼやかしている。

集団的自衛権は同盟国じゃなくても派兵はあり得る。