東日本震災から1年

15年前の阪神淡路大震災では、大都市が壊滅的被害を受けたことが衝撃で、いつ消えるともわからない大規模火災が続き、まるで戦争のようであった。
1年前の東日本震災では、発生日時が平日の午後ということもあり、映像も多く残された。その映像はリアルタイムで全国放送され、押し寄せて街を飲み込んでいく津波に、日本人は戦慄した。

東日本震災と大津波の被害があったのは、宮城・岩手・福島の3県を筆頭に、茨城や千葉など関東まで及ぶ。
ここで、被災の東北三県を挙げろというと、多くの人が真っ先に「福島」と挙げると思う。でも、実際には被害が最も大きかったのは宮城で、その次が岩手。福島は3県のうちでは被害が小さい。
そんな福島が被災3県の筆頭になったのは、東京電力の福島第1原発の大事故である。チェルノブイリでさえ1基の事故だったのに、福島第1原発では1号から4号までの4基が爆発した。 その後の報道が、福島を東日本震災(による原発災害)の象徴にまつりあげてしまった。

1年目の節目に書いてみる。
まずは、亡くなった方々に、合掌

東日本大震災(地震、津波)、被害状況専門サイトのデータ(2012/2/29現在)を参考にしてみる。

宮城県

震災前の人口 2,346,853
震災前の世帯数 915,193
死者数 9,471
行方不明者数 1,754
県外避難者 8,584
全壊・半壊建物 222,653
瓦礫推計 1569万トン
撤去率(解体を含む) 69%

死者・行方不明者数は、宮城県の人口の0.48%にも及び、県外避難者は0.37%となった。

岩手県

震災前の人口 1,326,643
震災前の世帯数 506,048
死者数(死亡認定者数) 4,671(1,197)
行方不明者数 1,304
県外避難者数 1,562
全壊・半壊建物 24,747
瓦礫推計量 475万5千トン
撤去率(解体を含む) 87%

死者・行方不明者・死亡認定者数は、岩手県の人口の0.54%に及び、県外避難者数は0.12%となった。

福島県

震災前の人口 2,024,089
世帯数 721,328
死者数 1,942
行方不明者数 54
県外避難者数 62,610
全壊・半壊建物 84,974
瓦礫推計量 208万2千トン
撤去率(解体を含む) 62%

死者・行方不明者数は、福島県の人口の0.1%に及び、県外避難者数は3.1%となった。

数字を考える

数字を見ると、宮城県の被害が飛びぬけて甚大だ。岩手県は陸前高田市の被害者数が多い。岩手県の北東部より南東部がひどく、リアス式海岸の地形が影響していると思われる。宮城県は、石巻市、東松島市が多いが、他の沿岸部でも被害は多い。ただ、東松島市から気仙沼市にかけての被害が多く、こちらも岩手県と同様に地形的な問題だったと思われる。福島県は、南相馬市や相馬市で被害者数が多いが、宮城・岩手と比べると、被害は小さかった(誤解を与えぬよう言うと、比較しての話であり、災害の被害が軽いというわけではない)。

内閣府のデータによると、関東大震災の死者の87%は火災による焼死で、阪神淡路大震災は83%が建物倒壊による圧死や窒息、12.8%が焼死。
それに対し、東日本震災の場合は特徴的で、92.4%が溺死だそうな。

建物の被害については、岩手県が少なく、宮城県がとても多く、福島県も多いという状況(念のため、ここで言う多い少ないは、ここでは比較論で述べてて、岩手県でも被害は多い)。
福島県の東北部、南相馬市あたりの津波の遡上高は、実は宮城県の東北部並に高く到達したところもある。また、南東部も15mくらい到達するなど、意外と津波の影響は大きかったようだ。ただ、内閣府の調査報告書のデータでは、ちょうど福島第1原発があるポイントのある地点の観測データが抜けている。調査できなかったのか、公表できないのか、それは関係者ではないのでわからない。

津波の遡上高でいうと、岩手県がすごく影響を受けた。沿岸部は概ね、高いところまで到達しており、場所によっては35mくらいまで到達しているところも。

震災瓦礫は、大多数が宮城県と岩手県のもの(両県で2,045万トン)であり、福島は少ない(208.2万トン)。

震災瓦礫の問題

東北3県で処理するには数十年かかるといわれている震災瓦礫の処理だが、全国のほとんどの自治体では住民の反対もあり、拒否している状態。理由は、「放射能」。

野田総理は、原発事故の責任は全国民で共有しなければならないと言ったが、そうじゃないと思う。責任を負うべき人間は確かにいて、その責任者らのほとんどは、責任を取らずに逃げてる。逃げてるだけではなく、それまでに原発関連で大きな利益を得てもいる。そういう人間を徹底的に追及することなく、責任だけ国民に転嫁して道義が通るとは思えない。
もちろん、だからといって放置はできないので、まずは責任を共有という前に、責任はちゃんと取らせるが、その前に「助け合い」を呼びかけるべきだったと思う。

震災瓦礫の放射能について、政府が「問題ないレベル」と言ってはいるが、たぶん問題があると思う。
瓦礫の処理をどのようにするのかわからないが、焼却できるものの場合、灰にはセシウムなどの放射性物質が残るので、処理を進めるうちに深刻な問題なレベルの放射能になるのではないだろうか。

東北が受けた放射能被害を、全国で共有しようぜ、全国で放射能被害を分かち合おうぜ、というわけにはいかないのである。助け合いで瓦礫処理を全国でするのも必要だろうけど、その前に安全を確実に担保しないと受け入れは難しいのではないだろうか。

ところで、もし原発がなかったら放射能は気にせずに全国で瓦礫処理を受け入れることができただろうけど、宮城や岩手の瓦礫も放射能は心配なんだろうか?
Naverがその辺をまとめているので、その放射能汚染マップ集をみてみたが、宮城と岩手の分は放射能のリスクがないとは言えないものの、全国で少しずつ受け入れて処理する分には問題ないんじゃないだろうか?と思えた。
これは、受け入れる自治体が少なくて、受け入れた自治体の処分後の放射能濃度が高まってしまう場合にはNGだと思うが、広く多数の自治体が少しずつ処理してくれれば、何とかなると思う。All or Nothing何だと思う。やるなら全国でやる、やらないなら東北三県には悪いが、無理ですと

ちなみに、風向きシミュレーションで放射能汚染の流れや、実際の汚染マップを見ていると、東京はもちろん、首都圏なんかは余裕でかなりの放射能物質が降ってるように見える。関東の各地での放射線ホットスポットが発見されたり、下水処理や焼却場に集約された放射能濃度などの実情を考えると、まぁそのシミュレーションはうそではないのだろう。
なぜか日本政府のシミュレーションは少なく、ほとんどが海外のシミュレーションであるというのも、なんだかなーと思うが、全国で少しずつ処理した後の放射能を気にするくらいなら、首都圏に住んだり、行ったりするほうも心配じゃないの? そうじゃないでしょう?

というわけで、個人的には瓦礫処理の受け入れは条件付で賛成。

あとは沖縄の米軍基地も全国で分散して負担してくれたなら、この国の人々もなかなか捨てたもんじゃないと思うけど、そんな愛国心のある日本人ってどれくらいいるかなぁ。

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