[TV] ザ・パシフィック 第9章沖縄

遅まきながら、録画してあったものを見た。

米軍側から見た沖縄戦の話は滅多にないので、どのように描かれるのか興味深く見た。
ザ・パシフィックはTVドラマだが、特殊効果やセットなどはかなり凝っていて、下手な映画よりも迫力があって、そしてショッキングな映像が多い。

全10話のうち、9話目が沖縄であり、戦争はここで終了。
以下、若干のネタバレ込みの感想。

8話までに出てくる戦場では、日本軍との激しい戦闘で次々と倒れていく米兵たちのストーリーだが、9話の沖縄戦ではちょっと違う。
それまでは普通に「敵兵たち」として登場してくる日本兵だが、「沖縄」では卑劣な作戦をとってくる兵士たちという扱いになっている。

出てくる沖縄人はちゃんと方言をしゃべってたし、恰好も当時のものに近い。家屋も藁ぶき家で、沖縄独特の亀甲墓も出てくる。最後らへんの風景は、摩文仁に似ているし、沖縄戦を描いた下手な日本映画よりもしっかりしている感じはした。その分、生々しい戦争映画(ドラマ)となっているので、女性や子供には刺激が強すぎるかもしれない。

沖縄のように戦場で非戦闘員の住民が軍と行動を共にして右往左往していたという戦争は、実は歴史的にも珍しいと思う(敗走する日本軍が、民間人を一緒に連れ歩けば米軍も攻撃しづらいと考えたともいう)。
そんな中、創作なのか原作者の実体験なのか確認のしようもないが、銃撃戦の最中を女性と子供たちが逃げ走っていると、米軍は攻撃をやめる。ところが日本軍はお構いなしに攻撃をしてきて、逃げ惑う住民たちは日本軍の銃撃で死亡する。(祖母の体験によると、実際には米軍は民間人でも狙って攻撃することが多かったようだ)

日本軍と米軍でにらみ合っている場所では、一人の母親が赤ちゃんを米兵に託すように「うにげーさびら、うにげーさびら(お願いします、お願いします)」と泣きながら寄ってくる。そして、米兵に近寄ったところで、日本兵によって体に巻かれた爆弾が爆発。赤ちゃんもろとも吹っ飛ぶ。

卑劣な日本兵に米兵たちは憎しみを強める。

ある日、主人公は上官に命じられ、敵兵たちが逃げ込んだという家屋を目標に、艦砲射撃を指示し、命中させる。
ところが、後でその家に近づくと赤ちゃんの泣き声。
また罠かと思いつつ入ってみると、中にいたのは泣き叫ぶ赤ちゃんと死んだ母親、そして瀕死の女性。
瀕死の女性は苦しみから解放してもらうために射殺するように懇願する。

良心が傷んだのかはわからないが、戦闘に関して落ち込む主人公。

墓の中に隠れていた少年(兵なのかどうか曖昧)が立ちつくしていた。主人公は最初は警戒して銃口を向けるが、武器も何も持っておらず、怪我をしている少年を見、銃口をおろす。すると、他の米兵が遊びで射殺する。

卑劣な日本兵に対して、若干人間性を踏み外すこともあるが、概ね米兵たちは良心的に戦闘しているという表現。

「太陽の帝国」では親しみのある日本兵も登場したりしたが、パシフィックではそういう日本兵は一切出てこない。卑劣で無謀で狂った戦闘を仕掛けてくる敵としての役しかない。

沖縄に関しては、"Jap"と"Okinawan"というように強調して分けている。日本人と沖縄人という扱いだ。
憎むべき敵(日本兵)と住民(沖縄人)を分けることで、ちょっとだけ米軍の罪悪感を紛らしているとも取れた。

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