Googleの戦略的Webブラウザ Chrome

Google Chromeが話題だ。新聞の一般紙でも「MSの牙城を脅かす」とまで書かれたりしているみたい。
しかし、そこはGoogleだ。リリースされたとは言っても、いつ正式リリースになるかわからないβバージョンだ。
バージョンは0.2.149.27で、User-Agentは”Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; en-US) AppleWebKit/525.13 (KHTML, like Gecko) Chrome/0.2.149.27 Safari/525.13″なんていう凄まじいものを名乗っている。

さて、手放しで喜べない問題も、リリースしてから間もないのに次々と出てきている。

リリースされて数時間で、さっそく脆弱性やバグが次々と指摘されている。未完成品と最初から謳っているので、正式リリースして数時間で脆弱性が見つかったFirefox3よりはマシな扱いだが、それよりもライセンス条項が問題だ。

11.1 本サービスで、または本サービスを通じてユーザーが提出、投稿、または表示するコンテンツについてユーザーが既に取得されている著作権およびその他の権利は、ユーザーが保持するものとします。コンテンツを送信、投稿、表示することにより、ユーザーは、本サービスで、または本サービスを通じて送信、投稿、または表示したコンテンツを再生、改作、改変、翻訳、公表、公開、配信できる恒久的かつ取り消し不能で、使用料が発生しない非排他的なライセンスを Google に付与することになります。このライセンスは、本サービスの表示、配信、および促進を Google が行えるようにすることのみを目的とするものであり、一部のサービスについては、そのサービスの追加規約で定義されているとおり、取り消される場合があります。

この条項により、ユーザーが権利を所有するコンテンツを、ユーザーがGoogle Chromeで表示でもしたりすれば最後、Goggleはユーザーのコンテンツを恒久的に自由に使えるライセンスを与えることを実現するというもの。

想像するに、GoogleはこのGoogle ChromeというブラウザをOS化し、Googleを中心としたネットワークと端末環境を融合化しようという、非常に支配的な戦略を計画しているのかもしれない。
ブラウザをOSにするというのは以前から主張していたし。

そのために、このブラウザでユーザーの権利物をふんだんに扱えるよう、この恒久的なライセンスをGoogleが世界中のユーザーからもらってしまおうということなのだろう。
だから、「本サービスの表示、配信、および促進を Google が行えるようにすることのみを目的」としている。
ただし、「配信、および促進」ということが広い解釈ができるため、事実上、Googleはユーザーのコンテンツを好き勝手に自由に使えるということになる。これはキャッシュなども含むのだろう。

この条項をマイクロソフトに例えるなら、「MS-Officeで作られたり、表示したファイルの権利をMSは恒久的に自由に使えるものとします。ただし、MS-Officeで表示、作成、およびMS-Officeの販売促進(宣伝など)を行えるようにすることのみを目的とします」と言っているようなもの。
作成したコンテンツを、たとえば「この文章はとても良い。これを配信すればほかのユーザーは喜んで、このソフトを入れるだろう」ということになれば、勝手に配信していいという解釈もできる。

この条項がある限り、企業などでは当然ながらGoogle Chromeをインストール禁止にしないといけない。
コンテンツを作って売っている人も、もちろんインストールしてはいけない。
気にする人は、個人でも当然インストールしてはいけない。
なのに会社とかでも「インストールした」という声がよく聞こえるのは、たぶん皆EULAなんて読まずに同意してるってことなのかもしれない。自分もそうだった。反省

評価のため、自分のコンテンツ以外を表示します!

ただし、この条項は削除の方向で準備を進めているらしい。
なんでも、他のライセンス条項を使いまわしていたために不適当なものが混じったとか。

あと~、プライバシーポリシーの説明がすごいらしい。(以下、一部抜粋)

● アドレスバーに URL またはキーワードを入力すると、入力した文字が Google に送信され、サジェスト機能によってユーザーの探しているキーワードや URL の候補が自動で提示されます。利用状況データを Google と共有し、提示された検索用語や URL をユーザーが承認した場合は、その情報も Google Chromeから Google に送信されます。この機能を無効にするには、こちらの手順をご覧ください。
● Google Chrome には、1 つまたは複数の固有のアプリケーション番号が割り当てられます。Google Chrome のインストール、初回の使用、自動更新チェックの際は、これらの番号とブラウザのインストールに関する情報 (バージョン番号や言語など) が Google に送信されます。使用統計情報と障害レポートを Google に送信するよう選択している場合は、それらの情報も固有のアプリケーション番号と一緒にブラウザから Google に送信されます。障害レポートには、異常発生時に実行していたファイル、アプリケーション、サービスの情報が含まれます。Google では障害レポートを使用してブラウザの問題を診断し修正を行っています。

なんでも、Google Chromeにはそれぞれに固有の番号が割り当てられておりアドレスバーに入力したキーワードやURLはGoogleのサーバーに送られて、Suggestionなどに使われるそうだ。
Googleは、Chromeユーザーが閲覧した記録をもとに動向を分析し、おそらくそのユーザーがアクセスしたいであろうサイトを提示してくれるということだ。これは便利と思う人もいれば、怖いと思う人もいるかもしれない。

あと~、Chromeは表示したサイトページのスナップショットのほとんどを保存するらしい。
人に知られたら困るサイトを見たあと、誰かに「ちょっとPCを貸して」と言われても貸しちゃいけない。
どんなサイトを良く見てるのか、すぐばれちゃうかも。

使いようによっては、子供がどんなサイトを見てるのか親が監視するのにも使えるね。

怖いんだか便利なんだか、ちょっと判断しづらいこれらの機能は、それぞれ無効にできるものもあるようなので、使う前に無効にしたほうがいいみたい

Safariで見つかって修正済みな、同じ脆弱性がたくさん見つかっているので(普通はリリース前に、最低限既知の脆弱性は潰すもんだと思うけどなぁ)、それらの脆弱性とChromeの保有するセンシティブな個人情報を利用したら、すごい情報を外部から盗める可能性もないわけではないかもと思うのは心配症?

2 Comments

  1. 新聞でちらっと読んだだけなのですが、そんなすごいものだったんですね。
    でも使うのはちょっとためらわれます。

  2. クールなサービスにはリスクはつきものってことですね。
    日本人はプライバシーにうるさすぎという人もいますが、
    逆に気にしなさすぎだと言うのが実際でしょうね。

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