[OPNION] 沖縄市の学校における地域格差

沖縄市では、市長選挙に続いて、市会議員選挙が3か月後にある。
市長選挙のときも旧コザと旧美里の格差について問題提起したけれど、沖縄市行政の、コザ・美里の格差がどれくらいあるのか、もう少し調べてみた。
今度は、学校行政に関して。

市長選挙でもそうだったけれど、「沖縄市」という全体の括りでしか候補者はアピールしない。でも、その政策における全体が全体ではないというところに問題がある。

地図で見る、沖縄市の学校

GoogleMapsで、沖縄市の学校に印をつけてみた。赤が小学校、青が中学校、オレンジが高校か、高校に準ずる学校。緑で囲まれたエリアが沖縄市の主要な地域。

okinawacity_school

地図で見ると、小中学校の数は、旧コザと旧美里では同数のように見える。しかし、旧コザは地域が限られているところに集中して配置されているのに対して、旧美里は南北に広いために分散している。

市立ではないが、県立学校では、普通・進学高校が旧コザ2校、旧美里は1校。工業高校はそれぞれ1校ずつ(沖縄市は農業高校、商業高校はないが、工業高校は2校ある)。特別支援学校は、旧コザは0で、旧美里は2校ある。

旧コザと旧美里で、一見してバランスが取れているようにも思える。では、人口で考えてみよう。

人口と学校の分布

まず、以前に有権者数は、旧コザ市が約4万人、旧美里村が約6万人というのは書いた。
だいたい、大人の人口は、美里側がコザ側の1.5倍ということだ。

しかし、沖縄市民ならなんとなくわかるだろうが、傾向としてコザ市側は長年住んでいる年配者が多く、美里側は急発展に伴って移住してきた若い世代の世帯が多い。とすると、子供たち・学校について、単純に1.5倍の差ではないのは容易に想像できる。

実際の生徒数

沖縄市のサイトから各学校の生徒数が見れる資料がすぐには出てこなかったが、「学校教育情報サイト Gaccom」(Gaccom)というサイトで調べることができた。

ただ、幼稚園は園児数が出なかったので、小学校と中学校のみで比較。集計年は不明。

沖縄市立小学校児童数ランキング

コザ・美里 校名 生徒数
美里 宮里小学校 1091
美里 美原小学校 1026
美里 美東小学校 920
美里 高原小学校 804
美里 美里小学校 773
コザ 山内小学校 743
美里 比屋根小学校 706
美里 泡瀬小学校 659
美里 北美小学校 612
コザ 諸見小学校 586
コザ 中の町小学校 475
コザ 安慶田小学校 449
コザ 室川小学校 323
コザ コザ小学校 320
コザ 越来小学校 275
コザ 島袋小学校 177

上位は美里側の小学校が独占。コザ側は、6位になって山内小学校がやっと出てくるが、それ以外は美里側が圧倒していた。
なお、山内小学校のある地区は、旧コザ側にあっても最近発展している地域になっている。

合計すると、美里側6,591人、コザ側3,348人と、美里はコザのほぼ2倍だった。

沖縄市立中学校生徒数ランキング

コザ・美里 校名 生徒数
美里 宮里中学校 922
美里 美東中学校 867
美里 美里中学校 781
美里 沖縄東中学校 723
コザ 山内中学校 650
コザ コザ中学校 583
コザ 安慶田中学校 376
コザ 越来中学校 244

小学校よりハッキリ出て、上位は美里側で独占状態。
合計では、美里側3,293人、コザ側1,853人となった。

中学校の場合は小学校よりも差は小さく、1.7倍ほど。これは、美里側のニューファミリー世帯(小学生以下の子供を抱えた世帯)が増えていることを示していると思われる。

以前のブログで書いた、近い時期に開校した安慶田中学校と宮里中学校、これは校区自体は隣り合っているうえに開校時の生徒数も同じくらいだったのだが、明暗がはっきり出ている。20年ほどで宮里中学校は安慶田中学校の2.5倍近くにまでなってしまっている。宮里中学校と安慶田中学校の広さはだいたい同じくらいである。

宮里は、小学校も中学校も、生徒数では市内でトップになっている。

おかしなコザと美里のバランス

合併後間もなくして、沖縄市の、旧コザ側優遇は突っ走り始めた。その結果の一端が、この市内の学校のバランスの悪さに現われている。
いくら美里側が急発展したからとはいえ、きちんと都市計画や人口増加の見積もりをやっていたなら、美里側に学校をもっと建てるべきであったことがハッキリとわかる。
しかし、沖縄市の行政は音市場やコリンザ、沖縄市庁舎などの大規模箱物投資を優先させ、美里側の学校には無頓着であったようにしか見えない。

学校数では同じものの、生徒数では倍近い差がある旧コザと旧美里。行政がきちんとしていたなら、美里側の学校数はもっと多かったはずである。

問題点

学校運営としては、生徒数が少ないほど統制が取りやすいので有利になる。
一方でマンモス校になると統制が取りにくくなり、問題も発生しやすい。
過疎地にある生徒数人の学校の成績が、都会の学校の生徒よりも優秀なことがあるが、同じ沖縄市内でそういう状態になる心配がある。

島袋小学校177人に対し、宮里小学校は1091人であり、およそ6倍である。
それぞれ1クラス30人で、島袋小学校は1学年1クラス、宮里小学校は1学年6クラスだろうか。

両校の広さはほとんど変わらない。もちろん物理的に収容人数が違うので、校舎は宮里が大きいと思われるが、校庭は同じくらいである。
同じ広さの校庭を6倍もの児童数で使っていて、同じ効果が得られるだろうか。
体育館もしかり。

各校の維持管理コストがどうなっているのか資料が無いが、生徒数にこれほどの差があるのに同じくらいのコストをかけているとしたら平等ではないと思う。

選挙について

沖縄市長選挙では、保守の桑江市長が当選した。
桑江市長は、このコザ・美里の格差を作る道筋を作った、故桑江朝幸元市長の御次男である。

投票所の出口調査で見ると、20代30代の若い世代の得票率が明らかに高かったそうだ。これは、「革新不況」とアピールし、大型公共工事を宣言することで若者への仕事の期待感を持たせたことによるものと思う。

一方の対抗馬、島袋陣営は、年配者の得票率は高かったものの、若者の得票がぜんぜん伸びずに落選してしまった。

ここで気付く。
旧美里村を放置プレイした道筋を作った桑江氏の次男である桑江朝千夫市長を当選させたのは、その美里側に多く住んでいる若者世代の票が大きかった可能性が高いことに。

桑江市長は、自分を当選させてくれた美里側市民への恩返しとして、美里側の子供を持つ世帯のほとんどが「おかしい!」と感じている教育環境の改善に力を注いでほしいと思う。

9月に行われる市会議員選挙では、是非、この点を改善してくれるような人を選びたい。

感想

実は、自分の子供がコザ側の幼稚園に入園するまで、沖縄市のコザ・美里の学校格差に気付かなかった。
美里側の学校が不足しているのは知っていたが、沖縄市の人口は増え続けていたので、コザ側の生徒数が激減している事にまでは気づかなかったのだ。てっきり、昔と同じくらいの生徒数がいるのかと思っていた。

つまり、コザ側の人口はどんどん減っているのに、美里側の人口が急激に伸びているために、総じて沖縄市の人口が増えているだけなのであった。
子供の人口は、その土地の将来の人口の様子を先に教えてくれている。大人の人口差は、コザと美里で4:6だが、子供の人口差はコザと美里で1:2なのである。