[OPNION] 池上彰も教えてくれない沖縄の米軍基地問題

1/30放送の「池上彰のニュースそうだったのか!!」は、最近のテレビじゃあまり言えないこともズバッと言っちゃって、概ね評判は良かったらしい。

辺野古基地の反対運動の現場では、池上さんが来たと思ったら、現地取材をすることもなく撮影だけですぐに帰っちゃって、「いい加減な解説をしてデマを全国放送で流したりするんじゃないか」と心配する人もいたけど。

本土の保守層や県内の親米サポートグループから出てくるデマを払しょくするのに一躍買った番組ではあったけれど、やっぱり物足りないところはあった。

なので、以下のことについて書いておく。

  • 街の活性化のために辺野古基地が必要?
  • 思いやり予算で地元経済を潰す
  • 基地関連の交付金を多額貰ってるじゃないか!

街の活性化のために辺野古基地が必要?

激しい沖縄戦で沖縄県の経済基盤が壊滅状態になった終戦間際を除いて、沖縄の基地経済への依存度はベトナム戦争時がピーク。
その後はひたすら縮小している。

基地の街として栄えたコザ(現在の沖縄市)の現在を見ると明らかで、沖縄市で一番の繁華街だった一番街を中心とした地域は、すっかり閑散としている。
普通の町なら人込みでにぎわうクリスマスでさえ、歩いている人もまばらである。

県内で基地の街としてまだ生存が確認できる程度なのは、金武町くらいだろう。
あるいは北谷の北前地区くらいか。

辺野古もかつては基地の街として栄えた。
もともと辺野古の住民ではなかったが、米軍向けの飲み屋などで働くために人が集まってきた。そういう人たちが数多く住んでいる辺野古地区は、他の久志地区や豊原地区と比べて、当然ながら辺野古基地賛成派が多い。

しかしながら明白な事実として、辺野古には既に基地があり、多数の米軍人がいる。
にもかかわらず、かつての基地の街、辺野古のアップルタウンは寂れきっている。
そんな状態で、基地が強化されたとしても、そんなに大人数で増えるわけでもない。

北谷町や那覇市新都心のように、基地が返還された後に数万人規模の経済区域が生まれるわけでもなく、せいぜい千人単位で米軍人が増えるだけの話。

それが、貴重な海を埋め立てて、騒音や航空機事故のリスクを受け入れても良いだけの恩恵を生むだろうか。

はっきり断言できるのは、辺野古基地が強化増築されたからといって、辺野古のアップルタウンの復活は無い。

思いやり予算で地元経済を潰す

防衛予算に、思いやり予算というものがある。当然沖縄の米軍基地にも多額が投下されている。
基地内に高級米軍住宅や大規模商業施設を建設したりしているのだが、当然ながら県外の大手建設会社が受注している。
米軍基地内にあるアメリカ人用の店なので、英語しか通じないかと思ったらそんなことはない。日本語も通じる。
理由は簡単、基地内の商業施設の店員のかなりの割合が日本人なのだ。
そして、その商業施設の店員の給料、それが思いやり予算から出されている。

基地内にある、マクドナルドやタコベル、ドミノピザ、そういうフランチャイズ店の店員を、日本政府が税金で雇って働かせているのである。
一般常識からいえば、商業施設のオーナーがビルを建て、テナントからは家賃収入を得る。テナントは店員らを雇って使い、商売をして儲け、その中から家賃を支払う。

関係者ではないので、いったいどのような契約になっているのか不思議なのだが、これが防衛局の思いやり予算の使い方でいうと、商業施設のオーナーがビルを建て、オーナーがフランチャイズ店をいくつも契約して入れ、オーナーが自腹で店員の給料を払い、売り上げ利益はフランチャイズの会社に上げる、ということをしている。
これにより、売っているものは激安だ。

さらにBX(Base eXchange)という大規模商業施設には、アメリカ本土から離れた僻地として不便をこうむらないよう、品ぞろえがものすごいし、安い。
冷蔵庫には大きな七面鳥の丸焼きがびっしりと並んでいる。
ボウリング場はしっかりとワックスで磨かれたレーン。
映画館では日本円で数百円にて最新作が見れる。
ガソリンはガソリン税がかからず、基地外の半額程度。

基地内だけで、すっかり豊かな消費社会ができあがってる。
彼ら、米軍人、米軍属やその家族たちが基地の街で何を消費するだろうか??

もちろん基地内にない店がそうである。
カレーのcoco壱番館という異例な例もあるが、基本は飲み屋。飲んで騒いで、女性をひっかけ、あるいは風俗店。

そういう街として栄えたいというのなら、どーぞどーぞ。

基地関連の交付金を多額貰ってるじゃないか!

沖縄県は米軍基地が集中することによって、他府県よりも多く交付金をもらっているじゃないかという大きな誤解がある。
これに関しては1月30日放送の「池上彰のニュースそうだったのか!!」でも解説があったように、実際には9位であって、特に高いわけではない。
これは沖縄関係の予算は、他府県と違って「沖縄振興予算」として一括交付されているから誤解を受けているようだ。

しかし、別に基地関係の交付金や防衛省からの補助金を受けているじゃないか、という意見もある。確かに貰っている。
だがしかし、その交付金の意味を聞けば、貰って得しているというお金ではないことがわかる。

国からの「基地交付金・調整交付金」は基地を引き受けてくれているお礼というわけではないのだ。簡単に言えば損害賠償みたいなもので、基地を置くことによって受ける様々な損害に対応するための交付金だ。

例えば米軍や米軍人からは住民税や県民税は取れない。ガソリン税も払わない。自動車税も減免されている。しかし、彼らは公共サービスの恩恵は受けている。

また、軍用地からは固定資産税は十分には取れない。軍用地に対する固定資産税は減免されているため、基地に取られている限りは固定資産税は少ないのだ。

地方自治体が基地から受けるそれらの不利益に対する補てんとして交付されるのが、基地交付金や調整交付金だ。

また、防衛省の予算による補助金も、防音工事などの基地被害によって発生している損害に対応するためのものだ。

あなたの家の隣に、騒音の激しい工場が建つことになった。
工場のオーナーはあなたに対して数百円を渡し、「これで耳栓を買え。得したな!」と言う。
あなたは納得できるか?という話なのだ。

沖縄でありがちな話だが、防衛局からの補助で自宅の防音サッシとエアコンの取り付けをやってもらえても、エアコンの電気料金も払ってくれるわけではないため、結局は窓を開けて過ごすというオチ。

防音工事やクーラーの取り付けは基地被害の解消にはならない。

基地に賛成している人たち

いいことがないのに、基地に賛成している人ってどういう人たち?
これは不思議なことだ。

中には本気で基地によって経済が良くなると思っている人もいるだろうけど、大部分は違う。

あからさまにいうなら、まず、基地によって特別な収入を得られる人だ。
辺野古三区の賛成派を見ていればわかる。
防衛局との交渉は、お金、お金、お金である。
基地からの補償金を毎年貰う交渉をするから賛成しようと、周りに呼びかける。
その結果が防衛局から直接三区へ交付されるお金だ。
辺野古・久志・豊原地区の公民館やバスなどがどんななのか想像できるだろうか。

在沖アメリカ領事だったメア氏が、「沖縄県民はゆすりたかりの名人」と愚弄したことがある。米軍基地に反対している県民は、お金をたくさんもらうために反対しているのだと。
だが実際はそうではない。反対している人は本気で反対している。
逆に、基地に賛成している人たち、その人たちこそがお金目的で賛成している人たちなのだ。

さらに、賛成派の一部は米軍と何らかの強いつながりを持っていて米軍に協力している人たちも存在する。彼らは一般県民でありながら基地内に頻繁に出入りし、米軍の内部資料である映像などを持ち出してプロパガンダに使えるような人たちだ。
彼らが何の利を得て米軍のために活動しているのかは計り知れない。