[OPNION] GPIFのポートフォリオ変更の余波

「1月8日の民主党山井議員と安倍総理の質疑が漫談だ」という話について、ちゃんと内容を理解していなかったのでコメントは控えていたけれども、なんとなく山井議員が突っ込みたかったのは「安倍総理の指示によるGPIFのポートフォリオの大幅変更がハイリスクになってて、2Q15で出した巨額損失のように年明け以降の下落で私たちの年金が大変なことになってないか?」という不安を抱く国民の代弁をしようとしたんだと思ってる。

それに対するて安倍総理の答弁が、政権樹立後の累積利益を自慢げに述べたことで、聞くほうも答えるほうも頓珍漢な質疑になってしまったという漫談なんだろうと理解した。

平成27年は年明けから連続して世界規模で株価の下落が続いている。東証などは記録的な下落になっていて、国民の不安は次第に増大しているのではないだろうか。

GPIFのポートフォリオの変更は2014年の10月で、ローリスク・ローリターンな国内債券を減らし、国内外の株式、外国債券の比率を増やした。
さらに、ハイ・イールド債とかジャンク債と呼ばれる、ハイリスク・ハイリターンな外国債券にも投じると決めてしまった。この決定は、BB以下の債券も買うよってことなので、質疑にも出てきたギリシャ債を買ってしまう可能性もある。それが山井議員の「ギリシャ債」発言となったのだろう。

安倍総理はギリシャ債をGPIFは持ってないと断言したけど、これを確認できる情報はみつけきれなかった。まぁ、GPIFから詳しい情報を直接引っ張れる安倍総理が言うことなので信じるしかない。

さて、GPIFの運用状況で公表されているのは2Q15まで。
ポートフォリオの変更がすぐにGPIFの実績に現れるわけではないと思うけど、オマケして3Q14の巨額利益分から計算すると、3Q14~2Q15の4期で利益は4兆円くらいになってる。
3Q15は株価は少し戻ったから利益はあったはずだけど、どれくらい上乗せできるのか。
そして、年明けから連日の下落で4Q15の利益はどうなるのか。

年度でいうと、26年度は15兆円の利益が出ているけれど、ポートフォリオ変更後の27年度がどうなるのかの結果は参議院選挙前には公表してもらえるだろうか。
公表されている分だけだと5兆円くらいの赤字で、3月までに世界同時株価大幅上昇がないと絶望的なんだけど。

あと、個人的にはGPIFの「ものをいう株主化」も気になった。
所有する株の議決権を行使していく方針で、利益を守るために行使するという理由にはなってるけれども、株主なんて皆利益を追求して議決権を使ってるはず。
それを、GPIFが国民から集めた年金という潤沢な資金を使って得た議決権なんて、それが正しく行使できるか未知数。
投資家として利益を得てきた実績から議決権を使った「物言い」をするわけじゃない。

心配なのは政治的配慮で議決権を行使するようになるんじゃないかということ。
たとえばNHKの会長人事みたいに政治的配慮で役員や社長を指定したりしやしないか、という不信感はどうしても感じてしまう。