[OPINION] 映画「ハンガーゲーム」とパリのテロ事件

(1) 映画「ハンガーゲーム」の悪役がまるで米政府
(2) フランス人と中東の人々の命の扱い方の差が変
(3) テロに勝つには強い武力は逆効果

というお話をば。

土曜の朝、アニメを子供とみる。
画面の隅にはトカラ列島の津波注意報が表示されてて、大きめの地震があったのね、と知る。
そのあと、グダグダ過ごしながら、WOWOWで放映していた「ハンガーゲーム」シリーズを見る。

アメリカ映画だけど、独裁大統領のキャピトルに支配される12の地区で圧政に苦しむ人々の抑圧感解消の娯楽として作られた殺し合い番組の「ハンガーゲーム」が主軸。
ハンガーゲームを使ってキャピトル政府はプロパガンダや世論操作をするって話で、主人公の少女が同じ地区から選ばれた少年と共に勝ち抜くって話。

なんだかんだやって、3作目で主人公は民衆のアイドルから反乱の象徴になり、反乱地区の第13地区に亡命する。
主人公のハンガーゲームでのパートナーの少年は亡命できず、キャピトルのプロパガンダに利用される。
ここで、キャピトルと反乱軍とでプロパガンダ合戦になったりする。
なんだかどっかで見た状況。

主人公が第13地区の病院に慰問に行ったのがキャピトルの大統領に知れると、大統領は軍に命令して病院を空爆し、病院にいた人々を虐殺する。
大統領は反乱軍のことを反乱と呼ばせず、過激派と言い変えさせたりする。
なんだかどっかのニュースで同じ状況の惨劇を見た気がする。

圧倒的な軍事力に対抗するため、反乱軍はダム爆破などの破壊活動をする。
怒った大統領は、第13地区に対して徹底した大規模爆撃をさせる。

と、実は時間がなくてここまでしか見てないんだが、ハンガーゲームを見ていてアメリカ人のすごいところは自己批判ができるってところだよなぁって思った。
日本でこんな映画を作ろうものなら、なんとか会議周辺から圧力がかかって公開停止させられるね。
地上波での放送予定だったりしたら、たぶん放送内容がタイミング的に不適切ってことで差し替えられたかもしれない。
軍事政権下のタイでは上映できなかったらしい。

IS/タリバンと、ハンガーゲームの反乱軍が同質のものでは絶対に無いんだけど、キャピトルについてはアメリカ自信をイメージしてるんじゃないかとしか思えない感じ。もちろん独裁者がいるわけではないけど、アメリカ政府や軍の戦略がキャピトルとけっこう被ってる。
そのせいか、1作目、2作目と比べて3作目はアメリカでの評価は低かったようだ。でも、アメリカ以外では評判は良かったとのこと。

そう考えてたころ、実はパリで同時多発テロによる129人の死者が出ていた。
日本の報道は何テンポか遅れていて、知ったのは夕方くらい。
Facebookなんか、自分のアイコンをフランス国旗色に変える機能まで即応したくらいなのに。

どうひっくり返してこねくり回しても、無差別テロは許されるものではない。
テロリストにどんな理屈があるのか知らないが、絶対に賛同できるものではないだろう。

ただねぇ、トルコや他の国でも同じか、それ以上のテロの犠牲者が出てもFacebookのアイコン変色機能はトルコの国旗色にならないし、シリアやイラク、クルド、アフガニスタンでの爆撃で何万人もの民間人が死亡しても、それらの犠牲者を哀悼するような行動をFacebookやAmazonは取らない。
これにはとても違和感を感じる。
暴力で奪われた命の重さは、トルコ人やクルド人、シリア人やアフガニスタン人、パレスチナ人は羽毛のように軽くて、フランス人は鉛のように重いわけじゃないのに。

トルコで開催中のG20で「テロとの闘い」の共同声明を出すとか何とか言ってるけど、テロとの闘いで勝つのは非常に困難。
少なくとも空爆でテロに勝つのは不可能。
なぜなら、テロリストを殺すための空爆で、関係のない大勢の民間人も殺されることになり、憎しみが広がり、新たなテロリストを生み出すから。
いくらテロリストの幹部を殺しても、その都度関係のない大勢の人を殺してちゃ駄目だろう。
欧米に住んでいる人間が次々とISに参加するのは、強大な武力で中東の人々を蹂躙している不条理への強烈な反感があるからだと思う。

テロを無くすために必要なのは強力な武力ではないという結論。